白起 (河出文庫)



白起 (河出文庫)
白起 (河出文庫)

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『白起』

読破するのが大変でしたが、白起を通して秦がいかにして中国を平定し得たかを知ることができました。
当時の状況を把握していないと難しいかも知れませんが、逆に知らないと妙な盛り上がりを感じられるかも知れません。
結局、白起の心はわからなかった

結局読んでも白起の心はわからなかった。白起とは何者かはわからな
かった。

この小説は、白起の伝記というよりは白起が生きた時代の年代気風な
小説です。この小説においては白起は主人公といえる扱いにはなって
いません。白起が主人公らしかったのは最初と最後だけ。二人の女官
とからむところぐらいでした。自分としては、その最初と最後の小説
的な部分がよくて最後まで読みとおしましたのですが。ですから中間
がちょっとダレました。

戦国末期をもっとも端的にあらわす人間として白起が選ばれたのでし
ょうか。彼は小説の主人公ではなく、時代の象徴としての存在なのか
もしれません。言い換えると、作者にとっては、白起そのものに対し
てはそれほど小説的興味が沸かなかったのかもしれません。

幾つかの宮城谷作品、「孟嘗君」「楽毅」「青雲はるかに」「奇貨居
くべし」と時期がかぶります。読み比べるのも一興かと。
常勝無敗の将軍はなぜ四十万人の捕虜を生き埋めにしたのか

常勝無敗の強さを誇った秦の将軍「白起」の生涯を綴った歴史小説です。
文庫本としてはかなり分厚く感じるボリュームですが、戦国時代の有名人が次々と登場して飽きることなく一気に読みとおせます。
ある程度この時代の予備知識がある人ほど楽しめると思います。

白起は始皇帝が登場する少し前の時代の人で、孟嘗君の末期、そのほかの戦国四君や楽毅などとおおむね同時期になります。
史書などでは、趙との一大会戦「長平の戦い」に勝利し、投降した趙兵四十万人を一度に坑殺した非情さで有名な武将です。
とはいえ、秦の始皇帝の天下統一も彼の業績がなければあれほど速やかに成し遂げられたとは思えません。

宮城谷昌光著の「青雲はるかに」や「奇貨居くべし」をはじめ、春秋戦国モノのほとんどで悪役として描かれる人物ですが、本書では、それらとは違った視点を楽しめます。
この本が気に入った人は、合わせて同作者の「霍去病」もオススメです。



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